【TaNoShi 3月号ツイート企画】5人のゆび姫

Sasasuke

ゆび姫が5人姉妹だったら。親指姫、人差し指姫、中指姫、薬指姫、小指姫のTwitter創作。おやゆび姫のイラストに添えて

 

「待っていて」チューリップ咲く頃に
迎えにいくよ指切りしよう

「小指」 流歩詩(ながれほし) 

 

親指姫がいなくなって、他の四人の姫たちには、その大切さが、はっきりとわかりました。親指姫がいないと、花びらをつまんで、甘い蜜を飲むことができません。悪い蛙を遠ざけておくために、石を拾うこともできません。それから、五人の姫たちは、いつまでも一緒にくらしました。

「親指」笛地静恵

 

おくすりをハートのきずに塗りませう さうわたくしは薬指姫

「薬指」とがし ゆみこ

 

絡ませて噛んで切られて恋小指

「小指」星野誠 

 

いち、にのお姉さんや、し、ごの妹たちは、一番まんなかのわたしを頼るけど、わたしがいなくてもなんとかなるって、実は気づいてる。本当は私には私の、幸せがあるんだ。ごめんね。

「中指」とよよん


ひとをさす
そのゆびが
好きなひとの背中にだけ
そっと書いた好きの文字
わかっているのに
何度も書いた好きの文字
ふりむいてほしいのに
口にひとさしゆびあてて
はぐらかした好きの文字

「人差し指」サトウアツコ


ワタシ男だけどお姫さまになれるかしら
 右手で右の爪を切れればね
じゃあせめてお姫さまの見る花になれるかしら
 アジサイとアサガオを間違えるようではね
前世は女だって占い師が言ったけど
 お前は家畜人の人間便器さ
赤い小指の先が痛い

「小指」白島 真


これが三度目
すれ違いざま
肩越しに
今は向き合いながら
ユビストルの構え
ズキューン!
テーブルにローズヒップティーの広がり
禁煙室の瞳が目撃者を募っている中
自白しますと
ハートのマークに描き直す

「人差し指」天野行雄

 

五人兄弟である
両の手で一対の
指相撲が大好きだ
長男坊の親指は
いつも威張っている
負けたことがない
末っ子の小指は
いつも泣いている
勝ったことがない
その他の三人が言う
負けてやれよ
と 長男坊に
末っ子は
勝つと泣きながら
勝負するのだが
また負ける

「親指」木村孝夫


真ん中が一番難しいの
姫は悲しげでした
執事の私が語るのもおこがましいのですが
ご両親の教えに
人を指差すことは憚られ
薬の副作用に悩み
小さく隠れもできず
常に中庸を求められるのですから
しかし最も長く
掌を凛とさせる姿は
何にも勝ると
私は確信しております

「中指」 末松 努

 

みんなのようにひとゆびでは
かっぱつには動けませんが
ときどきそっとわたくしで
なにかに触れてみると
あれ?
と不思議なかんしょくに
存在をおもいだすでしょう

「薬指」こひもともひこ

 

姫であるということそれは不変
姫として生まれ死ぬ
学校に行き
仕事をし
恋をし
別れ
死なれ
悪口を言われ
どぶに落ち
プレゼントを振舞うことを好み
燃えるルビーの中指は不変の私だ
私は死ぬまで私と心中する
侮辱されれば中指を立て
八百屋のおじさんに姫と呼ばれほほほと笑う

「中指」森朱鞠

 

いいこと教えたろか?
他の指全部と
キッスできるのは俺だけやねん
お母ちゃんとキッスすると
お金取られたりするけどな

「親指」こひもともひこ

 

幼い日のわたくしを
優しく愛でてくださいました
お前が少し弓なりで不恰好なのはわたしのせいよ
勉強好きなあなたが好きよと
優しいあの方は撫でてくださいました
ペンダコは光る個性だと

「中指」衣未

 

待たせたねと
そっと指にリングを通す
見つめるその瞳は
まるで目薬をさしたかのように
一瞬にして潤む
そして彼女は涙を拭い
僕を見上げてくすりと微笑んだ
これからずっと
僕が君の  
君が僕の
万能薬になる

「薬指」LUPIN☆


小指はそっと隠れて愛を包める
目立たないが負けず嫌い
こちらを向いて下さい王子様
この小指の愛を差し上げます

小指は思いでは嫌いです
思いでにならないように王子様
こちらを向いて下さい
愛を絡め続けてまいります

「小指」木村孝夫

 

おてんばはカップを持つとひとりだけ離れてきょろきょろ外を見てるの

「小指」 笠和ささね

 

掌に包み込まれたチューリップの色とりどりの優しい香り

「小指」ひぞのゆうこ

 

心臓に一番近い指だからね
命のビートと永遠を誓う薬指だよ
ロマンティックな嘘はラブソング
咎めちゃだめだよ
河の水はせせらぎ何と言っているか?
あなたの翻訳が聞きたい
運命が世界にたったひとつならば
どうやって探すの
私は私という運命になる
姫の冠と赤い唇で

「薬指」森朱鞠

 

チューリップドレスが素敵なお姫様
チューリップ香のリップを塗って
恥ずかしくて、かくれんぼした
嬉しくて、そっと覗いた
思い出のこの場所で
交換した指輪の大きさは違うけど
二人の愛のサイズはかわらない
花も、虫も、小鳥たちも、知っているよ

「薬指」流歩詩(ながれほし)

 

彼女はいつも怒っている。
彼女はいつでも寂しい。
交わした言葉に意味は無く、
絡めた小指が縛るものなどありはしない。
「ずっと一緒に居よう」
守られない約束を抱きしめて、
鮮やかな昼にとろりと微睡む。
彼女は哀しい小指のお姫様。

「小指」 音成葉月

 

食べたのは姉さんたちで私にはチョコレートの匂いはしない

全員でせーので割った菓子パンのなかにはぎゅっと幸せの色

熱すぎるカフェオレのマグお前だけは触らなくていいよと姉さん

「小指」とよよん

 

ニンジャごっこは忙しい
普段のんびりしてるから
ライオンの目になるなんて
クスリ笑ってしまうわね
臨・兵・闘・者 背の高い
三人指でまごつくの
羨んでいるこゆびちゃん
そうね…
もっと大きくなってからね

「薬指」笠和ささね

 

毎日ちゃんとドレスを着てヒールを履く
痛くてもふんわりと立つ
ずっと誰かを待っている
1日の終わりには諦めの涙をこぼし
朝には完璧なお姫様に戻る
戸惑うと人差し指を噛む癖
滲んだ赤とチューリップ色が交わる
みんな幻なのかもしれない
けれど、を繰り返して

「人差し指」天野しえら

 

明日からは土竜の嫁や春浅し
世の中に春来たるらし初燕
つばくらめな飛びそ我の眼裏に
青空に飛び方やさし燕の背
噂され花の王子も花粉症

「親指」とよよん

 

味をみるにも風を読むにも使われる
ときどき掘る鼻のトンネル
さみしいと吸われる
当ててあなたの唇に
Vサインひとりじゃないから好き

「人差し指」とよよん


dito medio(中指)でミ(mi)の音を弾く
少女(おとめ)いてぽろんぽろんと
音立てる美麗な洋琴(piano)
Monotone(白黒)の噫(Ah……!)keyboard(鍵盤)
生き生きと(animato)指が躍(おど)るよ

「中指」深田水松

 

隠された穴の秘密は眠る
最も長い指の先が
砂粒のような輝きに触れたなら
その一瞬会えるのでしょう
季節もつられて泣き笑う
花の香が風に流され
祈りも破綻も飲み込んでいく
目を覚まさなくていいよ
あたたかいところにいてほしい

「中指」天野しえら

 

天使の輪薬指には縁の輪
リングより軽い約束をください
気にしない花冠の傾きは
明日とか明後日は嫌今日がいい

「薬指」とよよん

 

こ 東風がドア    あ
ゆ 揺らすは僅か   か
び 微雨の宵     い
に 虹立つ出会い   い
は 馳せて うとうと と

「小指」蟻男

 

燕が ひらり。

「ただいま、親指姫。
おとうさんと おかあさんは
大きな大きな麦畑に居ましたよ。
貴女の生まれた大麦の種を
涙の数だけ 蒔いたのです。
貴女の手紙を読んだあと
稲穂の数だけ泣きました。」

涙が ぽろり。

「親指」蟻男

 


当記事の掲載はツイートの時系列順です
作者の元のツイートはこちらをご参照ください
TaNoShi 3月号 ツイート企画 – Togetterまとめ 

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